三田市立図書館への指定管理者制度導入を阻止する(・_・)/ホームページへ戻る

2013.3.11 答申「三田市の公民館及び図書館の今後の方向性について」より引用

2 図書館の今後の方向性について
(1)図書館・行政組織の現状
 平成2年3月、ニュータウンと市街地の中間点である南が丘に三田市立図書館(以下「図書館」という。)が開設されました。平成17 年4 月には藍市民センター図書室が図書館藍分室と組織変更され、また、同年6月には図書館ウッディタウン分館(ウッディタウン市民センター内)が開設されました。これにより、本館を中心とする市内3施設が整備され、移動図書館の北部地域巡回運行と合わせて市内全域への図書館体制が整備されました。また、平成20 年度の組織改編により、図書館は公民館と同様に、市長部局において運営されています。
 開館以来、人口増加が緩やかになってからも利用者数は伸び続け、年間貸出冊数は、平成2年度の約44 万冊から平成23年度には約123 万冊に増加しました。また、市民一人当たりの年間貸出冊数は10 冊を超えており、全国同規模自治体及び県下では、トップクラスの利用実績を維持しています。

(2)図書館の今後の方向性の検討に至った経緯と背景
 近年、公共図書館では開館時間の拡大をはじめとする更なるサービス向上が求められています。そのため管理運営面では、本館運営、選書、調査相談等、図書館運営の根幹的部分において、司書職員を中心とした体制を維持し、分館等は指定管理者制度または業務委託を導入する自治体が増加しています。
 一方、国会での大臣答弁や法改正の付帯決議において、事業の継続・安定性や専門的職員の育成等の課題があることから、図書館全体への指定管理者制度の導入は慎重に検討する必要があるとされています。これらの動向と背景を踏まえ、三田市としても図書館運営のあり方について、本館、分館、分室の役割に即して検討が必要であるとの考えから、諮問されました。

(3)図書館のめざす姿
 今後の図書館がめざす姿としては、従来の閲覧や貸出サービスももちろん大切ですが、新たなニーズや時代の変化に対応するとともに、暮らしに役立ち、身近に感じることのできる施設となることです。また、地域に貢献する知の情報拠点として、学校や他の社会教育施設、生涯学習施設等との連携を密にし、多機能化、複合化、紙媒体(紙の書籍等)による情報と電子媒体(電子書籍等)による情報を組み合わせるハイブリッド化、インテリジェント(コンピュータ制御)化されること等も重要です。
 図書館が住民にとって身近な『地域の知の拠点』、『まちづくりの拠点』として、だれもが利用しやすい施設としての機能を果たすこと、あわせて、引き続き子育て支援の拠点として、子どもが読書に親しむ機会の提供と諸条件の整備を支援する施設であることを望みます。
 専門性や公共性を保ちながら、社会教育施設・生涯学習施設である公共の施設として期待される役割は以下のとおりです。
@暮らしに役立ち、暮らしの中の問題を解決できる・考えることができる役割
暮らしの中での困りごとや関心ごとについて必要な情報を探したり、考えたりすることができる場。レファレンスサービスの充実。子育て支援の拠点等。
A地域の知の拠点としての役割
本の貸出サービスのみではなく、複合的かつ多機能的な地域貢献できるサービスの提供。誰もが利用でき、市民にとって身近に感じることができる場。地域ならではの情報の収集と活用等。
B市民や地域とつながり、市民が学ぶ機会を図書館以外にも広げる役割
学校や他の社会教育施設、生涯学習施設等との連携。市民の新しいニーズや時代の変化に応じた企画の立案。図書館を利用しない市民に向けての情報発信等。

(4)図書館運営のあり方
 前述の姿を実現する図書館運営のあり方について、委員により様々な意見があります。市民の生涯学習の場として、安定性、継続性、公共性の観点から、現在の体制による図書館サービス(蔵書やレファレンス等)の更なる充実、活性化を望む意見、第三者機関等により、図書館運営を評価することも大切とする意見、或いは、図書館が多様な市民ニーズに応えるためのサービス拡充には、民間活力(指定管理者制度等)導入を検討してはどうかという意見等です。
 民間による運営を考えた場合、市民NPO や民間企業は、経営面や継続性等に不安を抱えるということは一般的に言われますが、市民の立場に立った運営でのサービス向上や、効率性や民間のノウハウを活かした柔軟な取り組みが期待できること等それぞれ特徴があり、慎重に検討する必要があります。
 いずれにしても、今回、図書館運営の更なる充実の必要性から諮問に至った経緯を考慮すると、現体制による抜本的な見直し、或いは、民間活力(指定管理者制度等)導入の検討も避けては通れないと考えます。前述の諸点を勘案しながら、図書館のめざす姿を実現するためには、公民館と同様、市民、地域、まちのための図書館ということを念頭に、現体制による更なる充実・改革はもとより、効率、効果等も考慮し、民間活力(指定管理者制度等)導入も検討いただき、最良の方法を見出されることを望みます。


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