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2013年6月市議会での質問と答弁を確認してみましょう(平野菅子議員) φ(..)




2013.6.14 [三田市議会インターネット録画中継]三田市議会第2日目一般質問(平野 菅子)



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2013.6.14 [三田市議会インターネット録画中継]三田市議会第2日目一般質問(平野 菅子)
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質問

[1:34] (武雄市図書館について)「市長の肝いりで4月にレンタルビデオ店のTSUTAYAに指定管理を委託し、書籍販売やDVD有料レンタルも取り入れた図書館としてオープン、スターバックスともコラボしたカフェダイニングのある図書館として一躍脚光を浴びました。開館時間は午前9時から午後9時までで年中無休です。1か月の来館者が10万人を超えるという盛況ぶりですが、まあこれは目新しさも加わったものもあり、図書館運営についての評価を市民がどう下すかには、もう少し時間が必要であると思います。が、しかしながら反響があるということはこれまでの図書館がいかに市民からかけ離れた、魅力に乏しいものであったのかを物語っているとも言えます」

★武雄市では「市長の肝いり」で図書館の改修に4億5千万円もかけて、一企業を税金で支援するようなやり方について批判があります。武雄市図書館は商業施設のようになってしまったため、市外の来館者が多く、市民が利用しづらい実態もあるようです。「図書館運営についての評価を市民がどう下すかには、もう少し時間が必要である」と言われる通りです(すでに多くの市民が反対の声をあげているようですが)。また、「これまでの図書館がいかに市民からかけ離れた、魅力に乏しいものであったのかを物語っている」というのはあくまでも武雄市図書館のことです

[3:11] (長野県小布施町立図書館館長の言葉の紹介)「公立図書館の悩みは意識がサービス業というところに行っていないところです。図書館法第3条には奉仕をしましょうというところがある。やはりサービスやおもてなしをするという気持ちで館を運営していかないと、情報は伝わらない」

★小布施町立図書館「まちとしょテラソ」のホームページで利用状況を調べてみました。平成23年度の貸出冊数は85,379です。人口は約1万1千人です。三田市立図書館は平成23年度年間貸出冊数は1,215,188冊で、人口は約11万人です。三田市立図書館のほうがよく利用されているようです

★図書館はサービス業ではありません


「日本標準産業分類」(平成19年11月改定)によると、
大分類 O 教育,学習支援業
中分類 82 その他の教育,学習支援業
821 社会教育
8212 図書館
となっており、教育,学習支援業とされています。図書館法第十七条に「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」とあることからも明らかなように、対価の徴収ができない図書館を、サービス業と定義することには無理があります

★図書館法第3条に規定されている「奉仕」はおもてなしの精神を説いたものではなく、各項の具体的なサービス内容についてのことです。「郷土資料」への留意や、「図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること」も書かれています。指定管理者制度の図書館では3〜5年で業者が変わるため、図書館司書が図書館資料に十分な知識を持つことが困難になります
(図書館奉仕)
第三条  図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。
一  郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。
二  図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
三  図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること。
四  他の図書館、国立国会図書館、地方公共団体の議会に附置する図書室及び学校に附属する図書館又は図書室と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。
五  分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。
六  読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びこれらの開催を奨励すること。
七  時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。
八  社会教育における学習の機会を利用して行つた学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、及びその提供を奨励すること。
九  学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡し、協力すること。

[3:45] 「東京都千代田区の区立千代田図書館は指定管理者制度を導入し2007年5月にリニューアルオープンした図書館です。指定管理者制度の利点である民間企業が持つそれぞれのノウハウを十分に発揮しながら目標に到達することをめざし公募による民間3社の共同体が協力しながら各部署で各社が培ってきた専門性を生かした図書館運営が行われております。特にここでは図書館コンシェルジュを配置されているのが特徴的で、いわゆるホテルのコンシェルジュのように相談や案内と、千代田区情報専門担当者としての役割を果たされています」

★民間企業3社の共同体というのは、市が運営するよりも効率が悪くなっているのではないでしょうか。民間には図書館運営のノウハウがないことを表しています。「民間でできることは民間で」というフレーズは良く聞かれますが、民間の公共図書館というものはありません。また、「図書館コンシェルジュ」が特徴的と述べていますが、図書館コンシェルジュとは図書館司書の名称を変えただけのもので、相談や案内などは今まで図書館が普通にやってきた業務そのものではないでしょうか

[4:52] (三田市立図書館について)「今の図書館運営に市民にサービスを、おもてなしをという意識があるようには残念ながら思えません」

★三田市立図書館は同一の人口規模の自治体の図書館では貸出冊数の多さで全国2位であり、とても利用が多い図書館です。図書館サービスが支持されていなければこれだけ多く利用されていないのではないでしょうか

[5:44] 「小さな子供から高齢者の方、またサラリーマンから自営業、主婦から学生まで、あらゆる市民にとって情報の拠点、交流の場、居場所づくりの場となる図書館に今こそリニューアルさせるべきだと考えます。そして、どこの図書館でもない三田モデルを作るべきです」

★土・日・祝日の三田市立図書館は、すでにあらゆる世代の市民でいっぱいです

答弁

[16:30] <市長>「おっしゃるように図書館はサービス業でございます」

(社会教育委員の会の答申について)「図書館のありかたとしては、図書館の目指す姿を実現するためには、市民・地域・まちのための図書館ということを念頭に現体制によるさらなる充実・改革はもとより、効率・効果等も考慮し民間活力である指定管理者制度の導入も検討し、最善の方策を見出していくことを望む、とこうされております」

「現在の図書館では、こういった色々な貸出のほかにも児童や障碍者など数多くの市民様のサービスを行っておりますが、まだまだ不十分な点がたくさんございます」

「今後は従来の閲覧や貸出サービスだけでなく、知識や情報とのふれあいや学習の場として、仕事帰りなどいつでも気軽に立ち寄れる仕組みとして開館時間の延長や開館日を拡充するなど、暮らしに役立ち身近に感じることができる施設、地域の知識の向上の拠点、まちづくりの拠点として誰もが利用しやすい施設、子育ての支援の拠点、子供が読書に親しめる機会の提供と支援する施設として多機能な図書館をめざしてまいることが大切であると考えております」

「新成長戦略プランにもサービス提供の構造を常に市民目線からの発想で、方向を見直すとともに、サービスの担い手は行政だけが行うという考え方の枠を超えて、コスト面の比較やサービス水準など、民間事業者が実施できる仕組みというものについては十分に検討しながら構築をしてまいりたい」

★先ほども確認しましたが、図書館はサービス業ではありません。教育,学習支援業です。社会教育委員の会の答申では「最善の方策を見出していくことを望む」とされています。なぜ、指定管理者制度の導入が最善の方策なのかという点が分かりません。また、「市民目線からの発想」は市の運営ではできないのでしょうか?

[19:39] 「市立図書館の管理運営につきましても4月以降答申の趣旨を踏まえて、様々な内部で検討を重ねているところでありますが、結果的には図書館の目指す姿を実現させていくためには、民間事業者等の視点や手法・ノウハウを活用し、柔軟で効率的な運用を図っていくことがやはり私は必要であろうと、こういった今結論に達しております」

「できるだけ早く民間指定管理者制度の導入による図書館をめざしてまいりたい」

再質問

[30:35] 「指定管理者制度を導入を基準にして考えていくということなんですが、これは本館と分館、合わせて3館を一つとして指定管理者制度の導入という風に理解してよろしいでしょうか」

[31:07] <市長>「当初は部分委託というのも考えておりましたけども、同じやるなら私は3館一括で、全面指定管理制度ということを基本に考えております」

[31:28] 「それこそまさに、市民目線に立った、市民ニーズにお応えになった答弁と非常に敬意を表したいと思います」
「できるだけ早くというご答弁でございましたけれども、やはり時間的な制限・制約、またこれからのスケジュールを考えましたらですね、今現在6月でございます。で、その中でいろんな設置やらまた条例の改正やら色々考えていくとなったらですね、どうしても今後スケジュールというのは決まってくるんじゃないかと思うんですけど、そのところですねいつに照準を合わせるのか、年内中には何とか結論を出させる方向で、行くのかどうかというのを再度ご答弁いただきたいと思います」

[32:12] <副市長>「方針につきましては市長申しましたように、全面スケールメリットも含めましてですね、指定管理行くといったことで、個々色々整理の問題がございますが、そういった中で現在職員がいわゆる従事しております。指定管理ということで行くわけですが、職員のやはり勤務条件に関わる問題が出てまいりますから、このことにつきましてはいわゆる従来から事前折衝を始めておりますが、いわゆる昨日正式に文書を持って協議の申し入れを進めると、こういうことですので、それを加速しながらですね、年度内には方向を示したいと、こう思っています」

★「同じやるなら私は3館一括で、全面指定管理制度」にする理由が分かりません。余りに乱暴な言ではないでしょうか


参考リンク

三田市議会インターネット録画中継
「日本標準産業分類」(平成19年11月改定)
小布施町立図書館「まちとしょテラソ」


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