三田市立図書館への指定管理者制度導入を阻止する(・_・)/ホームページへ戻る

2013年6月市議会での質問と答弁を確認してみましょう(笠谷圭司議員) φ(..)




2013.6.17 [三田市議会インターネット録画中継]三田市議会第3日目一般質問(笠谷 圭司)



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2013.6.17 [三田市議会インターネット録画中継]三田市議会第3日目一般質問(笠谷 圭司)
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質問

[00:51]  (指定管理者制度の導入について)「各種講座や、企画、移動図書館、点訳や音訳など現行のサービスは必ず堅持し、さらに充実を図っていただくように指定管理者の仕様書にきちんと盛り込むべきですし、対象者の方々への説明も丁寧に行う必要があります」

★「指定管理者公募仕様書を調べてみました φ(..)」の記事でも確認しましたが、指定管理者公募仕様書には細かなサービスは記載されていませんでした。これは指定管理者制度の問題点の一つです。仕様書に細かなサービスを記載しない場合は、現行のサービス水準が落ちてしまうおそれがあります。逆に、仕様書に細かなサービスを一つ一つ規定すると、指定管理者の図書館はそれに縛られて社会のニーズの変化に柔軟に対応できなくなると思われます

[1:32]  「三田市はどのように図書館を生まれかわらせることができるか、その御手腕を今後つぶさに見させていただきたいと思います。単に年間のコストを下げるだけではだめでして、世間が期待する水準以上の洗練されたサービスが提供できるかどうか。今まで図書館を利用しなかった世代が、気づきの場として図書館を利用してくれるかどうか。これらが最大のポイントになると私は思っております」

★三田市立図書館は同規模の自治体で全国2位の貸出実績のある図書館であり、「生まれかわらせる」という表現は適切ではないと思います

[2:10] 「まず、指定管理者にどのような企業や団体を想定しているかでございます。一口に指定管理者と言いましても、図書館運営の能力やノウハウは現在千差万別であるのが現状でございます。三田市の公募におきましても、めざましい成果をあげているところに私は手を挙げていただきたいですし、また実際に手を挙げていただくには、市の積極的な姿勢が必要になってまいります。公募に手を挙げる側からすれば、施設の集客力というものを見ておりますから、市が管理者と一緒になって内装の改修工事やデザイン、システム整備などの初期投資をどれぐらいしてくれるのかを見ております。ですので、私はまず、本館をしっかり改修すべきであると考えております」

★「めざましい成果をあげているところ」とはどの業者のことでしょうか。「市が管理者と一緒になって内装の改修工事やデザイン、システム整備など初期投資を」という言葉からは武雄市図書館のことを想起させます。武雄市では図書館の改修費が7億5000万円かかり、武雄市の負担額が4億5千万円、CCC(TSUTAYA)の負担額が約3億円でした。市の税金を使って、TSUTAYAを誘致するというのは市の仕事ではないのではないでしょうか

[2:58] 「そして館長の役割でございますが、私は館長は留任をしていただいて、行政の立場から全体をバランスよく見ていただきたいと思っております。館長が行政管理者であることは、各方面に安心感を与えることができると思います」

★「公立図書館の任務と目標」の第88項には「館長は,公立図書館の基本的任務を自覚し,住民へのサービスを身をもって示し,職員の意見をくみあげるとともに,職員を指導してその資質・能力・モラールの向上に努める。このため,館長は専任の経験豊かな専門職でなければならない」とあります。館長は行政関係者ではなく、専任の経験豊かな専門職である必要があります。「平成23年度 図書館年報」で確認したところ、館長は司書資格をお持ちではないようです

[3:22] 「毎年の図書選定の充実のためには、書籍や雑誌、CD、DVDなどの直販部門を目的外使用エリアに置いて、実際に市場化テストを試み、翌年の図書選定につなげるのも有効です。これにより、従来よりも透明性、公平性が向上いたします」

★書籍や雑誌、CD、DVDなどの直販部門をどのように翌年の図書選定につなげるのかが不明です。従来よりも透明性・公平性がどのように向上するのでしょうか? 売り上げをもとに図書を選定するとすれば、売り上げの低い本は図書館では読めなくなるのでしょうか。また、発売された翌年にならないと新しい本が図書館に入らないのでしょうか。市民の「知る権利」を保障することが図書館の大きな役割の一つですが、それが果たせなくなる恐れがあります

★個人情報保護の観点からも疑問があります。本の売り上げ情報や貸出情報が企業のマーケティングに使われてしまうのでしょうか

答弁

[19:26] <まちづくり部長>(指定管理者の公募・選定に対する基本的な考え方について)「本市では全館への指定管理者制度の導入を通じて、開館日や開館時間の拡大など、図書館サービスのより一層の改善と効率化を図る方向で検討を進めております。その中で、答申の主旨でもありました、目指す図書館像を具体化させていくためには、従前の運営方針をそのまま踏襲・拡大させるのみではなく、市民ニーズをくみ取りながら、指定管理者制度の特徴を生かして、民間の柔軟で多様な発想に基づく、地域の情報拠点として図書館を発展させていく必要があると考えております。したがいまして、指定管理者の公募・選定に際しましては、経営の安定性と目指す図書館像の実現に向けた、斬新な提案力も参考に決めていきたいと考えております。次に館長でございますが、市民サービスを重点においた新たな民間活力を十分に生かして管理運営ができる責任者の選定につきましては、後の指定管理の手に委ねたいと考えております

★なぜ「従前の運営方針をそのまま踏襲・拡大」することでは目指す図書館像が実現できないのでしょうか。市の運営では「柔軟で多様な発想」はできないということを述べているのでしょうか?

再質問

[26:40] 「スケジュールがですね、翌年の春をめどにリニューアルしていくことを考えますと、逆算していきますとなかなか厳しいものがあるなと私は思います」
「次の9月議会まで約3か月ありますけども、やはりこの間にできることというのは多分にあるんだろうなと思いますが、本市としまして、やはり視察といいますか、実際の現場に足を運んで、その館の空気を吸って来ていただきたいというふうに考えております。近隣自治体のみならずですね、やはりまあ全国多様な図書館形態、今展開されておりますので、特色あるところはせめて5つ以上は回ってきていただきたいなと思いますけれども、今月、あるいは来月にはしっかりと研究をしていただきたいと思いますが今後予定いかがでしょうか」

[27:55] <まちづくり部長>「図書館運営に関しましては、これまでの制度そのものの導入事例に比重を置いて研究・研修に努めてまいりました。今後は特色ある図書館運営の実現にも重点を置きながら、各地の先進事例、視察・調査にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております

★「各地の先進事例の視察・調査」を行うことなく、指定管理者制度導入を決めてしまうのは拙速ではないでしょうか

[28:26] 「改修、初期投資の重要性について再度お聞きしたいと思います。指定管理者導入によりまして、今現在年間約2億円から3億円かかっている経費、これがいくぶんコストダウンが見込めるということでございますけれども、やはり一定サービスというものは担保あるいはそれ以上に向上していかなければならないと思っております。そういった観点から見ますと、やはり浮くコスト分の財源ですね、やはりこれを10年か15年ぐらいのスパンで償還できるような仕組みでですね、やはり初期投資にしっかりと注力していただくことが必要かなと思います

★実際のコストダウン効果は不明です。「現在年間約2億〜3億かかっている経費」は正確には、2億7千万円です。「三田市議会だより つなぐ 2013.8 vol.118」では「約3億円」と記されていましたが、これは少し不正確です。また、3〜5年で業者が変わっていく指定管理者制度の図書館では、司書の職員が持つ経験が失われてしまいます

[30:11] <まちづくり部長>「特色のある図書館運営の実現でありますけども、一定の投資が必要であることは念頭に置いておりますけれど、今後の予算の中での考えとさせていただきたいと考えております」

★平成24年度一般会計総予算405億円のうち0.7%の2.7億円しか図書館費にかけず、平成23年度の資料購入費予算額は2,200万円を平成24年度は1,500万円と急激に減らすような三田市の方針からすると、「今後の予算」というのも推して知るべしです

[30:51] 「開館日は原則として年中無休、あるいは社会人の方が平日利用していただくためには朝の時間帯や夜の時間帯、これをきっちりと開館をしていかなければ、、すべての世代に応えることはできないと私は思います」

★年中無休の図書館を実現するために指定管理者制度を導入しなければならないのでしょうか? 市の運営のままではできないのでしょうか? 指定管理者制度では3〜5年で業者が変わっていくため、図書館司書の経験、図書館運営のノウハウを継続していくことができません。「図書館の資料」とそれを利用する「図書館利用者」を結びつけるのが司書の役割とされています。司書の役割を軽視して図書館へ指定管理者制度を導入することはデメリットが大きいと思います


参考リンク

三田市議会インターネット録画中継


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