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午後のニュースルーム「図書館の未来を考える」(2013年)の片山善博さんのコメント (・∀・)イイ!!



★2013年9月16日放送の番組です。前半部分は、陸前高田市立図書館(仮設)と武雄市図書館の紹介でした。後半の指定管理者制度に対しての、片山善博さんのコメントを中心に抜粋しました


午後のニュースルーム「図書館の未来を考える」 BS朝日 2013.9.16

野村真季(のむら まさき) … アナウンサー
片山善博(かたやま よしひろ) … コメンテーター 慶応義塾大学教授、元鳥取県知事、元総務大臣
大串夏身(おおぐし なつみ) … ゲスト 昭和女子大学特任教授



野村:実はこの民間を入れるという取り組みは、各地で進んでいまして2011年度までに指定管理者制度を導入した図書館は、全国で336館入っているということなんですが、片山さん、この現状をどんなふうにとらえてらっしゃいますか

片山:さっきも説明ありましたけど、指定管理者制度という制度ができて、自治体の公の施設っていうんですけどね、それを民間に委託してもいいってことになったんですが、実は図書館とかですね教育施設とかを対象にすることは想定してなかったんですね。どっちかっていうと例えば観光施設だとか、それから体育施設だとか、そういう料金を取って利用してもらう、そういうものを民間の力を活用して有効に運営してもらおうということだったんです。もともと教育とか学校ですね、それから図書館なんかは自治体で非常に基礎的な業務でして、自治体の根幹にかかわる業務なので、これを3年単位ぐらいのですね外部に委託をするということは、もともとなじまないということだったんですけど、制度的にはやろうと思えば可能なもんですから、こういうことになったんですけどね

私は実は鳥取県で知事をやってましたけどね、図書館の管理運営どうするのかということが議題になった時に、議会でも議論したんですけど、鳥取県では図書館は外部に委託しないと、あくまでも自前で、それで住民のみなさんの意思を反映した、ちゃんとした運営をしよう、質的な充実を図ろう、特に図書館で働く司書さんたち、この人たちの充実を図っていこうという、そういう方向でやってきましたので、まあ先ほどの指定管理に出してやるっていうのも一つの選択だとは思いますけども、私は個人的にはやはり自分の経験からいっても、外部に出すことはなじまないなと思ってます

野村:小学校や中学校を自治体が運営するのと一緒で、図書館というものも非常に公の部分が大きいものだというお考えがある中で、自治体が持つ役割というのも非常に大きいということになりますよね

片山:図書館はですね、単に本の貸出だけだと考ええればですね、いろんなやり方はあるんだろうと思いますけど、私なんか自治体の長をやった者からしますと、図書館てのは単に本の貸出だけじゃなくって、図書館を拠点にしていろんな自治体の活動ができるんですね。例えば高齢者のみなさんに対するケアだとか、子供たちの例えば細かいことを言いますと、歯みがきの指導を図書館でやって、その指導を受けた子供たちが図書館で本を、かんけつ(関連?)の本を借りて帰るとかですね、いろんな使い方があるんですね。ですから自治体業務そのものなんです。本来ならば。それを外に出すっていうのは、ちょっとやっぱり自治体の経営管理からすると、首をかしげざるを得ないなと思いましたね

野村:大串さんは片山さんが知事時代に、鳥取県立図書館の目指す図書館像の策定委員会で委員長を務められたという経緯もあるんですけれども、実際にどんな取り組みを鳥取県ではなさってたんでしょうか

大串:やっぱり鳥取県はですね、片山さんのころに五つあったと思うんですね、すごくいい取り組みというのが。一つは学校図書館、県立学校の学校図書館に司書教諭という専門職にプラスして、学校司書っていうのをですね配置して、学校図書館の活性化を図った。学校教育のレベルアップを図ったと、こういうことでですね行われたと。これで生徒たちの貸出が4年間で2倍になったとかですね、次に県立図書館がネットワークを作って物流を整備した。翌日には本を届くようにした。学校から依頼があると翌日に本が遠く。これで学校の利用がですね、県立図書館からの利用が約3倍になったことですね。そういった非常に顕著な成果が上がってますね。教育的にもひじょうにいい。それ以外の図書館、県立図書館の充実というものを図っていますね。資料費を増大した。それから、お話のように人を育てる。それからもうあと一つは、やっぱり地域の課題ということですね。県立図書館の職員の方が地域に出ていって、いろんな方々と交流をしながらですね、やっぱり地域の課題に図書館が取り組むということで、これは全くもうやっぱり新しい取り組みでですね、これは非常に高く全国的にも評価されて、それで全体として「知」をですね活用する、それで新しい「知」を生み出していくという。まあ知的立県という言い方されてましたけども、やっぱりそういったですねことをおやりになったと。それをまあ私がオーソライズして、これからの方向としてですね、こういう方向があるよということで、あのレポートをまとめたという、その座長をやったという、こういうことなんですね

野村:なるほど。あの、武雄市の場合は民間の会社が入って図書館を地域の憩いの場という形にしていった。でも一方で鳥取県の取り組みとしては、自治体自らが地域を活性化していく、その一つに図書館をあげたという、この違いがあるわけなんですね

片山:私はね、やっぱりこんなこと言うと失礼になるかもしれませんけどね、学校はもちろんですけれども、図書館、さっき言った基礎的な施設なんかは、図書館ぐらい自前で経営したらどうですか。図書館も経営できない、であればね、自治体としてちょっとふがいないんじゃないか。もちろん民間にお願いすればよくなる面もあるんですけどね、でも失うものも多いのでやっぱり自前でやったほうがいいなと、私は思ってました。あとね、東京の方の関係の方に委託をしますとね、本もそこを通じて入ってくるんですよ。で、かなりの金額の本を買いますけど、鳥取県ではもう、地元の書店からしか買わないんですね。それは、地元の書店がやっぱりなくなったら困りますし、がんばってもらわなきゃいけないので、そういう地産地消っていうわけではありませんけれど、地元の書店にも元気を出してもらうっていうことを政策としてやってましたので、それが東京の方に委託すると全部、流通経路が変わってしまって、地元の書店が疲弊してしまうってこともありますので、そういう政策面からもやっぱり、地元で自前でやってました

野村:なるほど。こういった問題点があげられるということなんですが、とかく目に見えるものばかり追求されていく世の中で、図書館の効果というのは見えないものがありますよね。その効果というものをどこまで自治体が考えられるか、そして地域が考えられるか、ということになるかと思います


参考リンク
BS朝日「午後のニュースルーム」


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