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「指定管理者公募仕様書」を調べてみました φ(..)



★インターネットで、「指定管理者制度 図書館 仕様書」で検索すると、「指定管理者公募仕様書」や「指定管理者業務仕様書」が出てくるので確認してみました


浜松市立はまゆう図書館 指定管理者公募仕様書(2013年7月)

表紙を除くと本文は全13ページの仕様書です。仕様書の構成は以下の通りです

1 図書館の管理、運営における基本的な考え方
2 施設の概要に関する事項
3 業務の範囲及び基準に関する事項
(1) 開館時間及び休館日
(2) 人員配置の基準
(3) 指定管理者が行う業務の範囲及び基準
 ア 館長業務
 イ 庶務業務
 ウ 図書館サービス業務
 エ 蔵書管理業務
 オ 施設管理業務
 カ 自動販売機業務
(4) 管理運営に関する留意事項
(5) 業務の自己管理の実施
(6) 事後評価の掲示
(7) 帳簿等の備置
 ア 事業計画書及び収支予算書の作成
 イ 事業報告書の作成
(8) 個人情報に関する事項
(9) 情報公開に関する事項
(10) 環境への取組みに関する事項
(11) その他
4 業務に使用する物品に関する事項
(1) 市が準備するもの
(2) 指定管理者が準備すべきもの
(3) 物品所有権の帰属
5 施設の経理に関する事項
6 指定期間終了時等の引継ぎに関する事項
7 その他の事項

★たった13ページでは図書館の全業務について規定できず、"図書館サービス業務"の項目にはこんな記載が多数あります

利用者登録 ※受付業務マニュアル、図書館サービスシステム操作マニュアル等
資料の貸出 ※受付業務マニュアル、図書館サービスシステム操作マニュアル等
資料の返却 ※受付業務マニュアル、図書館サービスシステム操作マニュアル等
資料の回送 ※受付業務マニュアル、図書館サービスシステム操作マニュアル等
予約サービス ※受付業務マニュアル、図書館サービスシステム操作マニュアル等
リクエスト ※受付業務マニュアル等
レファレンス ※受付業務マニュアル、図書館サービスシステム操作マニュアル等
複製サービス ※受付業務マニュアル、資料の複製に関する内規等
相互貸借 ※受付業務マニュアル、相互貸借マニュアル等
督促 ※受付業務マニュアル等
弁償処理 ※弁償に関する取扱要綱、受付業務マニュアル等
寄贈図書管理 ※受付業務マニュアル、寄贈資料の受領に関する取り扱い要綱、図書館業務支援一覧等
児童サービス ※図書館業務支援一覧等
各種申込書等の管理 ※受付業務マニュアル等
施設利用等の案内 ※受付業務マニュアル等

★これら各種マニュアル類はインターネットでは公開されていません。そのため、指定管理者がそれぞれの業務をどのような基準で行っているのかが明確ではなく、いつのまにかサービス水準が低下している、ということになりかねません

また、"指定管理者が行う業務の範囲及び基準"には次のように書かれています

「業務を行う際は、市の定める業務マニュアル等を遵守すること。指定管理者が創意工夫により独自に付加的業務を行う場合には、事前に市と協議すること」

指定管理者制度を導入しても、指定管理者に完全に運営を委ねることはできていません

★指定管理者制度導入について、「民間活力の導入」ということがしばしば言われます。5年の指定管理の期間中に、指定管理者が創意工夫により独自のサービス向上計画を発案したとしても、市との協議を行わなければそれを実行することはできません。「民間活力」で本当に図書館が今以上のサービスを提供することができるのでしょうか? 「図書館雑誌」2011年7月号に「指定管理者制度の現在」という特集があり、「指定管理者から直営へ移行した図書館長の図書館運営私論」という記事に、新たな業務の計画がなかなか進まない様子を永利和則館長が記していますので、一部を以下に引用します
 まず、指定管理者は「民」だった。具体的には、私は市議会、教育委員会には出席できず 〜 中略 〜 その役割を担っていた生涯学習課長からは図書館の現場に携わっていないので、館長が直接答弁・説明した方が効率的だという言葉を何度か聞いた。

 次に、指定管理者には二つのヘッドが存在していた。ひとつは指定管理者を監督する生涯学習課であり、もうひとつは公社の理事会である。 〜 中略 〜 大規模な修繕や工事、高額な物品の購入などは契約により生涯学習課の権限となっているので、市側の結論が出るまで事業がストップしてしまう。また、市の関係部署や他の関係機関と協働で事業を展開しようとするときは、生涯学習課に話して了解を得なければならないし、図書館がどうしてそこまでサービスをするのかという理解を得るにも時間がかかり、スピードが削がれることもある。
★市民が目の前にいる指定管理者とそうでない指定管理者監督者の意識の差についても言及があり、利用する市民が目の前にいない指定管理者監督者は当事者意識が欠けてしまいがちなことも書かれています。指定管理者が創意工夫で新たな業務を発案してもなかなか理解が得られないためにすぐに実行できず、それをすることが報酬のアップにつながるわけでもないのであれば、誰が新しい提案をしようとするでしょうか? また、館長が市議会に出られないことで議会のコントロールも弱くなるということも考えると、「指定管理者制度」は効率的・効果的な運営方法とは言ませんし、民間活力の導入というのも絵に描いた餅にすぎません


参考リンク

[PDF]浜松市立はまゆう図書館 指定管理者公募仕様書


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